漢方治療入門講座

気と気虚について

気と気虚について

気とは
目には見えないが身体に作用し、精神にも作用するもの
気はものを動かす-血・津液および排泄物を押し動かす、臓腑機能を促進
気は身体を温める
気は過剰な排泄・出血を抑え、内臓の位置を保つ
気はものを変化させる
気は栄養にかかわる
気虚とは
  • 気が不足(疲れると症状が悪化し、休息により緩解する)
  • 臓腑の機能低下、停滞
  • 便や尿、汗が出にくい
  • 手足の冷え、寒がり
  • 内臓下垂、子宮下垂、脱肛
  • 出血、汗が止まらない、尿便がダラダラ漏れる、生理がダラダラ続く
  • 浮腫み
  • 痩せる、疲れやすい、持続力がない
  • 気弱、くよくよ、欝的気分
気虚の診断ポイント
舌が淡色 胖嫩 歯痕が認められることある。
顔色が蒼白あるいは黄色味、唇も淡色、脈に力がなく弱い(虚脈)
元気のない様子、声が聞き取りにくい、眼に力がなく弱い、疲労倦怠感
胃腸虚弱、一般的には痩せている、発育が悪い、内臓下垂
補気薬
人参・黄耆・白朮・山薬・甘草など甘 温の薬物を使用する(主剤は人参)
脾(気)虚
食欲不振すぐ腹が一杯になり少ししか食べれない、下痢、便秘
心(気)虚
ため息をつく動悸、わずかのことで驚く、健忘~(酸棗仁・龍眼肉・遠志)
肺(気)虚
呼吸が浅い息切れ、咳嗽、うすい痰、風邪をひきやすい、自汗~(五味子)
補気剤
四君子湯(人参・甘草・生姜・白朮・茯苓・大棗)が基本
六君子湯(四君子湯+半夏・陳皮)
軽い少陽の熱をとる
痰飲、水毒を去る
補中益気湯(四君子湯去茯苓・黄耆・当帰・陳皮・柴胡・升麻)
少陽の熱をとりながら益気する効果が優れている
 
 

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