私たち日本人は病気になったら温かいお粥に梅干しと小さい頃より耳にタコが出来る程言い聞かされ、食べさせられてきました。
どうしてなのでしょうか。
温かいお粥は痛め疲れた消化器を温め休ませ、活力を取り戻すのに役立ちます。
消化器の働きを漢方医学では脾胃と呼びます。
脾胃は後天の本、生体にとっての要であると言います。
その理由は食べ物の消化吸収により私たちの体は維持されているのみならず、胃腸の調子が肉体的ならびに精神的状態に一番大きく左右し、脾胃を整えないと体調が整わない仕組みとなっているからです。
私たちは普段知らず知らずに食べ過ぎ、胃腸の調子を崩しがちとなっています。
体調が優れないと感じたら一食や二食思い切って断食したり、温かいお粥にすると体がすっきりします。
お粥は生体の自然治癒力を高めるための格好の食べ物ですが、脾胃を整える漢方薬は朝鮮人参や黄耆の配された四君子揚、六君子湯、補中益気湯などが代表的です。これらの薬方を専門的には補気剤と言います。
補気剤は単に胃腸の調子を整え、良くするばかりでなく気力を高め、心肺機能を始め五臓六腑の働きを良くします。胃腸疾患ばかりでなく心・肺疾患、自律神経失調症、神経症、皮膚疾患など多くの疾患に用います。
さて、梅干しは「三毒を去る」つまり、毒消しと言われています。
梅干しにはTCAサイクルに関わるクエン酸を多く含み、漢方医学では酸は肝の働きを良くし、解毒機能を活発にする働きがあると言います。当院では梅干しの塩分が気になる方にはクエン酸をお勧めしています。
温かいお粥に梅干しは高温多湿の風土に住み、胃腸機能を崩しやすい日本人が健康に暮らすために、先祖から引き継いた深い知恵なのです。