漢方症例集

蕁麻疹、唇の腫れに十味敗毒湯

蕁麻疹、唇の腫れに十味敗毒湯
女性(57歳)
10代の頃より,蕁麻疹が出てなかなか治らない。唇が辛子明太子のように腫れる。特にたけのこを食べすぎると酷くなる。便は過食のせいか下痢気味である。今年もたけのこを食べすぎて蕁麻疹が出て,唇が腫れあがってしまった。
くすんだ顔色で瘦せていて,胃下垂,胸脇苦満を認めたため,十味敗毒湯7.5 g/日分3を投与。
2週間後,だいぶ落ち着いてきた。いわゆる解毒証体質であり,動物性タンパク質や脂肪を少なくし,たけのこなどアクの強いものをできるだけ控えるように指示。何とか治したいとの希望が強く,粘り強く十味敗毒湯を服用した。
2年が経過した頃より,蕁麻疹はほとんど出なくなり,唇が腫れることもなくなった。

【解説】おできができやすい,化膿を繰り返す,湿疹や蕁麻疹が出やすい,などのいわゆる解毒証体質には十味敗毒湯がよいとの先人の口訣があります。生活改善の上に粘り強く服用すると効果を発揮します。これは西洋医学がカバーできない領域です。
 

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