小児に特によく使用する漢薬
温裏剤
- 温裏剤
- 裏寒の治療薬、代謝を上げ自然治癒力を高める薬。主薬は生姜と附子。
裏寒=代謝低下、ショック状態、顔色が悪い、唇の色が悪い、手足が冷たい、鼻水、下痢、尿が近い、身体の中心を投影する部位(腹・胸・鼻)が他の部位と比較して冷たい。
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人参湯(人参・白朮・甘草・乾姜)
- 脾胃の未発達な段階にある乳幼児のファーストチョイスの薬方。
- 風邪(鼻をぐずぐずさせる・鼻水・咳・軟便・食欲不振を伴う)、喘息性気管支炎、下痢、発育不良、アトピー性皮膚炎などに使用。
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真武湯(附子・芍薬・茯苓・白朮・生姜)
- 冷えをとり水毒を去る薬方 現代人の葛根湯と言える。
- 風邪薬として日常幅広い年齢層に使用。
- 一般的には人参湯証と異なり、下痢をせず、水肥りの子供に使用。
- 風邪(鼻をぐずぐずさせる・鼻水・咳・咽疼痛の伴う)、アレルギー性鼻炎、夜尿症、起立性調節障害、アトピーなどに使用。
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甘草乾姜湯(甘草・乾姜)
- 温裏剤の基本薬
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茯苓四逆湯(茯苓・甘草・乾姜・附子・人参)
- 虚弱となった現代の小児に甘草乾姜湯の感覚で裏寒の甚だしい、カポジ水痘様発疹、アトピーの増悪、喘息、発熱などに使用。
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桂枝人参湯(桂枝・人参・甘草・乾姜・白朮)
- 人参湯の合うタイプで表証のある時使用。温裏剤ではないが準じて使用。
- 鼻をぐずぐずさせる、咳、軟便、頭痛、発熱、不眠、不安、夜泣きなど。
補気剤
- 補気剤
- 気虚に対する治療薬。胃腸の働きを良くし自然治癒力を高める薬。主薬は人参。
気虚=臓腑機能低下、心肺機能低下、発育不良、哺乳力低下、胃腸虚弱、食が細い
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四君子湯(人参・甘草・乾姜・白朮・茯苓・大棗)
- 胃腸を丈夫にして発育を良くする体質改善薬。長期に服用させると良い。胃腸の調子を整えるので下痢にも便秘にも使用し、便通も整う。
- 発育不良・アトピーなどにも使用。
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六君子湯<四君子湯+半夏・陳皮>
- 半夏、陳皮という鎮咳去痰剤が配されている。
- 咳の基本薬として広く使用。軽い身熱を目標に用いる。
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補中益気湯<人参湯+柴胡・升麻・陳皮・黄耆・当帰・大棗>
- 身熱(口が臭い・目やにが出る・舌に白苔・舌先が赤い・口内炎・発疹)を目標に用いる。
急性発疹性疾患、風邪熱がなかなか取れない時、気管支炎、蕁麻疹、アトピーなど。
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甘麦大棗湯(甘草・大棗・小麦)
- 肺虚して神経過敏となったのに使用。
夜泣き、やたらにかゆがる、グズる、便秘。
裏虚に対する方剤
- 裏虚に対する方剤
- 肝の働きを良くして自然治癒力を高める薬。主薬は芍薬。
- 裏虚とは肝虚のことで腹直筋の攣急、臍下虚、冷で便秘がちで興奮しやすく、疲れやすい。
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小建中湯<桂枝湯(桂枝・芍薬・甘草・生姜・大棗)+膠飴>
- 裏虚に対する体質改善薬として小児の諸疾患に広く使用。
- コロコロ便で便秘、臍仙痛、疲れやすい、身体をだるがる、手足のほてり、水分をやたらに欲しがる、興奮しやすい、寝付かれない、喘息、アトピー、夜尿。
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黄耆建中湯<小建中湯+黄耆>
- 黄耆という気を高め皮膚、粘膜に効く生薬が配されている。
汗の出やすいなど小建中湯より一層、虚状を呈する皮膚疾患などに使用。
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桂枝加竜骨牡蛎湯<桂枝湯+竜骨・牡蛎>
- 竜骨、牡蛎というカルシウム剤が配されている。
- 不眠・神経症・神経過敏・円形脱毛症などに使用。
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当帰建中湯<小建中湯+当帰>
- 当帰という女性生殖器の働きを良くする生薬が配されている。
- 生理痛・頭痛に使用。思春期以降の女子に良く使用。
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当帰四逆加呉茱萸生姜湯<桂枝湯 +当帰・呉茱萸・細辛・木通>
- 女性生殖器の働きを良くする当帰と身体を温める呉茱萸、細辛が配されている。
- 「冷えのぼせ」となり頭痛、しもやけ、のぼせ、肩凝り、不眠、ストレス病、生理痛に使用。特に思春期以降の女性に使用の機会が多い。
気血両補剤
- 気血両補剤
- 補気剤+補血剤。
- 心肺胃腸機能ばかりでなく肝腎機能は勿論、オールラウンドに臓器機能を高める薬。
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十全大補湯(人参・黄耆・朮・茯苓・甘草・桂枝・当帰・川きゅう・地黄・芍薬)
- 喘息、アトピーなどの体質改善に良く使用。
- 治りにくい風邪などにも適応あり。
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大防風湯(人参・黄耆・朮・甘草・乾姜・大棗・防風・羌活・当帰・川きゅう・地黄・芍薬・杜仲・牛膝・附子)
- 喘息、アトピーなどの体質改善に使用。
補陰剤・補血剤
- 補陰剤・補血剤
- 血虚、陰虚の治療薬 自然治癒力を高める薬。主薬は地黄。
- 血虚、陰虚=腎虚プラス肝虚、腎や肝の働きの低下、皮膚のカサカサ、潤いがない、発育不良。
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六味丸(地黄・山茱萸・山薬・牡丹皮・沢瀉・茯苓)
四物湯(地黄・芍薬・当帰・川きゅう)
- 体質改善のため長期に使用。裏寒・気虚のある子供には使いにくい。
清熱解毒剤
- 清熱解毒剤
- 陽明病の治療薬、過剰な生体防衛反応を瀉下する薬。主薬は大黄、黄連などの清熱解毒薬。
- 陽明病=生体防衛反応が過剰となり、裏熱が篭った状態。
便秘、排尿回数少なく、尿の色が濃い、息が臭い、乾燥した黄舌、手足の冷え無し、顔色紅潮、発汗しやすい、冷たいものを欲しがるなどの著しい身熱所見を目標に用いる。
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甘連湯(甘草・黄連・大黄・紅花)
- 新生児黄疸、乳児のくさ(胎毒)に使用の機会がある。
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半夏瀉心湯(半夏・黄ごん・甘草・大棗・人参・黄連・乾姜)
- 口内炎・蕁麻疹・胃腸炎・気管支炎・喘息などに使用の機会がある。
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升麻葛根湯(葛根・芍薬・升麻・甘草・生姜)
- 急性発熱性発疹疾患に使用の機会がある。
- 梔子柏皮湯(山梔子・甘草・黄柏)
じんましん、アトピーの非常に痒がるのに短期的に使用。
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治打撲一方(川骨・樸嗽・川きゅう・桂枝・大黄・丁香・甘草)
- 打撲、打ち身の薬であるが処方構成よりアトピーにも使用の機会。
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治頭瘡一方(川きゅう・蒼朮・連翹・防風・甘草・荊芥・紅花・大黄・忍冬)
- 乳幼児の湿疹、くさ「胎毒」、アトピー性皮膚炎に使用の機会。
柴胡剤
- 柴胡剤
- 少陽病の治療薬。過剰な防衛反応を中和する薬。
- 少陽病=半表半裏に熱が入り込んだ状態。
- 治療法は柴胡剤「柴胡の配された方剤」で中和。
身熱「口が臭い、目やにが出る、口唇が赤くてカサカサなど」所見と胸脇苦満「肝臓部のつっぱり」を目標に用いる。
(小児は胸脇苦満が分かりにくい。身熱所見を目標に用いると良い。但し、柴胡剤を長期に用いるときは肝臓部のつっぱりを確かめて使用すること。)
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小柴胡湯(柴胡・半夏・黄ごん・大棗・人参・甘草・生姜)
- 柴胡剤の基本薬
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柴苓湯<小柴胡湯+五苓散>
- 腎炎、ネフローゼなどにも使用の機会がある
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補中益気湯(人参・黄耆・朮・大棗・甘草・乾姜・陳皮・当帰・升麻・柴胡)
- 補気剤で柴胡剤。極めて使いやすい柴胡剤。
- 長引く風邪、蕁麻疹、アトピーなどに使用の機会が多い。
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十味敗毒湯(桔梗・柴胡・川きゅう・茯苓・防風・甘草・荊芥・生姜・樸嗽・独活)
- 蕁麻疹・湿疹・アトピーに使用の機会がある。
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抑肝散(柴胡・甘草・朮・茯苓・川きゅう・当帰・釣藤鈎)
- 癇の虫に使用(歯ぎしり・不眠・夜泣き・神経症など)
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柴胡桂枝湯(柴胡・半夏・黄ごん・甘草・桂枝・芍薬・大棗・人参・生姜)
- 小柴胡湯と桂枝湯を合わせた薬である。柴胡剤の中で、虚弱となった今日の小児の体質改善薬として使用の機会が多い。
- 癲癇、アトピーなど。
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柴胡清肝湯(柴胡・黄ごん・黄柏・黄連・瓜呂根・甘草・桔梗・山梔子・地黄・芍薬・川きゅう・当帰・薄荷・連翹・牛蒡子)
- 柴胡の証のあるひとの代表的な体質改善薬。清熱解毒剤も配されているので冷えて虚弱となった今日の子供には注意して使用する必要がある。
利水剤
- 利水剤
- 水毒の薬。主薬は茯苓、朮、沢瀉、猪苓などの利水薬。
- 五苓散(沢瀉・朮・猪苓・茯苓・桂枝)
- 吐き下しに使用の機会。
- 人参湯証と異なり顔面がやや紅潮し、小便が少ない、吐いても吐いても直ぐに水分を欲しがる。(人参湯証は一般的には顔色悪く、小便多く、吐くとぐったりして何もほしがらない)
- 臨床ではハッキリと区別がつかず、人参湯と一緒に使用する。現実は人参湯証の方が多い。
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苓桂朮甘湯(茯苓・桂枝・朮・甘草)
- 顔がほてり、足が冷えて(胃内停水・腹動)眩暈、頭痛を起こしやすいタイプ。これらの仮性近視・起立性調節障害などに使用。
解表剤
- 解表剤
- 太陽病の治療薬。表を巡らし発汗させる薬。主薬は麻黄、葛根、桂枝などの解表薬。
- 太陽病=風邪の初期で発熱、悪寒、節々が痛むが下痢せず、裏寒に陥っていない。
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麻黄湯(麻黄・杏仁・桂枝・甘草)
- 発熱、強い鼻づまり 喘息に用いる。
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五虎湯(麻黄・杏仁・甘草・石膏・桑白皮)
- 体力のある子供の発熱、喘息に用いる
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小青竜湯(麻黄・甘草・乾姜・芍薬・桂枝・細辛・五味子・半夏)
- 鼻水ダラダラタイプの気管支炎、喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症に使用の機会
付記
- 紫雲膏(ごま油・当帰・紫根・黄蝋・豚脂)
- 漢方の軟膏のフアーストチョイス。
- 消炎、殺菌、鎮痛、止血、滋潤、肉芽形成など広範にわたる効果がある。
- おむつかぶれ、湿疹、やけど、擦り傷などに用いて効果の高い重宝な軟膏。