近年、アレルギー疾患に対して現代医学は著しい進歩を遂げました。
漢方の世界に30年程どっぷりと漬かり、現代医学とは決別してしまっている私には眩しく思える反面、シンプルで一番大切なことを見逃してしまっていて、治療を返って混乱させてしまっているように思え、もどかしく感じます。
ごく限られた患者さんを診ているにすぎませんが、アレルギー疾患に対してもいわゆるアトピー性皮膚炎や喘息などの治療ガイドラインは完全に無視して殆ど漢方薬だけで治療を行い、かなりの効果を収めていると思います。
目の前の患者さんが良くなって頂くことだけを考え、時時刻刻と変化する病証を捕らえ、適切な漢方薬を選択するようにと心しています。
現代医学でもアレルギーマーチと言われアトピー性皮膚炎と喘息、花粉症、蕁麻疹は関連疾患と考えられています。
漢方医学の立場では病気の現れは異なっても病の奥に潜んでいる病証に応じて治療するのでアトピー性皮膚炎、喘息などと病名は異なっても証が同じなら同じ漢方薬を投与することとなります。ただ、漢方の立場では表(皮膚)に現れた病気であるアトピー性皮膚炎、蕁麻疹を裏の病気である喘息にもっていかないように細心の注意を払いながら治療にあたります。
現代医学ではアレルギー性疾患に対して抗アレルギー薬やステロイド剤と起きている症状を抑える治療を金科玉条としていますが、漢方医学ではアレルギー疾患に限らず、全ての疾患に対して特殊な場合を除いて先ず第一に生命力、自然治癒力を高めることでアレルギーが良くなったり、再発しなくなることを良く経験します。
そのためには身体を温め、胃腸の働きを整え、臓腑を養うことを先ず、常に念頭に置いて治療に当たります。これらを目的とする漢方方剤を防衛剤と呼びますが、現代医学には防衛剤に相当する薬はごく特殊な用途に使用する薬を除いて存在しません。
次に漢方医学には積極的に毒を体外に排泄することで積極的にアレルギー疾患などを治す治療薬があります。その為に適切な時を選び解表剤、柴胡剤、清熱剤、駆於血剤(攻撃剤と総称)を適切に駆使し、排毒します。積極的に排毒を図る治療薬は現代医学には無いと言っても過言ではありません。
漢方薬の果たす役割は極めて大きいと思います。
花粉症の方を診察すると、漢方の立場では「冷えのぼせ」となっている方が殆どです。
漢方医学の立場での食事指導をさせていただきながら、漢方薬を中心として投与し、不足を現代医学の外用薬や抗アレルギー薬で補うようにしています。
花粉症に対して、漢方を試す価値は十分あります。
麦門冬湯、炙甘草湯、温経湯など
補中益気湯、加味帰脾湯、加味逍遙散など